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≪Chaper22≫トラックのスペアタイヤ交換作業

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 現在、国内大型車メーカーが、排出ガス規制・ポスト新長期規制適合車より、新・ISO方式ホイールが採用される様になったのはご存知の事と思います。
 まだまだ旧式のJIS方式ホイール車が多いですが、新旧種類の規格が混在するので注意が必要です。

 そこで今回は、新・ISO方式ホイールのスペアタイヤ交換作業をピックアップしたいと思います。

 

≪ISO方式とは≫

(International Organization for Standardizationの略称)
国際標準のホイール取り付け方式で、世界中の大型トラック

  • バスの95%に採用されています。

 

ISO説明図

≪ISO方式の特徴≫

  • シンプルな構造でタイヤ交換や点検・整備が容易である。
  • 単純な締付け方法で、長く使ってもホイールやホイールボルト、ナットの傷みが少ない。
  • 部品の種類が少なく、部品管理が容易で誤組のリスクも小さい。

≪JIS方式とISO方式の見分け方≫

 作業を行う前にまず、どちらの規格かを確認しなければなりません。ISO方式のホイールナットは座金(ワッシャー)付き(1種類しかありません)なので、目視ですぐ判りますし、車両のキャブ内に貼付されたコーションラベル等で確認してもいいでしょう。必ずどちらの規格か認識してから作業を始めて下さい。

 

≪ジャッキアップの必要性≫

 新・ISO方式では、後輪のダブルタイヤも1つのナットで締付け(共締め)であります。ナットを緩めると外側だけでなく、内側のホイールもハブから外れます。JIS方式では外輪の交換作業の時、内輪をスロープに載せるなどして、外輪を浮かせて、ジャッキアップ無しで交換作業が出来ましたが、ISOでは、外輪交換でも必ずジャッキアップが必要になります。この事からも、作業前に交換する車両がどちらの規格か知っておく必要があります。


≪左車輪の右ねじ化≫

 新・ISO方式ホイールは、世界標準の総輪右ねじを採用しました。従来は、タイヤの回転方向とねじの緩み方向を反対とする考え方から、左輪は(トラック・バスのみ)左ねじとしていました。しかし、あらゆる試験結果から、右ねじ、左ねじの差はなく、従来のJIS方式での脱輪事故の約7割が左車輪であることが判明した事により、左ねじが必ずしも有効とは言えなくなりました。

 

≪参考:左輪に事故が多い訳≫

 左通行では、右カーブは左カーブに比べて緩やかでスピードが出やすいため、どうしても走行スピードが高くなります。このため、遠心力による荷重は左輪が大きくなります。また、左折時の左輪の回転半径は、右折時より小さく、車両が曲がることによる横力も左輪が大きくなります。これが影響して左輪での事故が多いと推定されています。

 

≪増し締めについて ≫

 新・ISO方式、JIS方式に関係なくスペアタイヤ交換作業のあとは必ず増し締めが必要です。規定の締め付けトルク(550〜600N・m)で締め付けても、走行すると、初期なじみによって、締め付け力が低下します。そこで、締め付け後50〜100q走行を目安に規定のトルクでナットを再締付けします。

≪初期なじみとは≫

 初期なじみとは、ハブやホイール、ホイール面どうし、 ホイールとナットの接合面で、微細な凹凸や塗装など が、いわゆる「なじむ」ことによって、締付け力が低 下していく現象です。初期なじみを、そのままにして おくと、締付け力が低下し続け、場合によってはナッ ト緩みの限界を超え、脱落する可能性があります。

 

初期なじみのメカニズム

≪誤組付けについて ≫

   

 19.5インチホイールでは、従来のJIS方式と、ボルト数が同じでPCDの差が小さいため、気付かないとボルトセンターがずれたまま、ISO・8ハブにJIS・8ホイールが装着できてしまうので、注意してください。(図1参照)

 一度締付けてしまうと、ナットの座金部で、ホイール穴が隠れてしまい、誤組の状態が外観からでは分からなくなってしまいます。(22.5インチホイールは、ボルト本数がJIS8本、ISO10本と異なるため誤組付けの心配はありません)また、スチールホイール用ボルトにアルミホイールを装着した場合や、前輪用ボルトを後輪に使用した場合は、ねじのはめ合いの長さが不足します。(図2参照)
すると必要な締付け力が得られません。車輪が脱落すれば大事故につながります。くれぐれも誤組付けにはご注意ください。

図1

図2

ホイール誤組の状態図

ホイールボルト誤組の状態
   
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